第28章 副隊長のモンブラン✿保科宗四郎✿裏
仕事が終わらず夜中まで残っていた私はとんでもない重罪を犯そうとしている。執務室に来ると副隊長の机の上にモンブランがあり、疲れた頭はそれを欲している。後で買って返すからどうか、お許しください…!
モンブランを手に取ってパクッと口の中に入れると、甘さと栗の香りが広がり、背徳感を抱きながら幸せに浸っていた。
ちょうど食べ終わった頃副隊長が戻ってきて、呆然としながら机の上を見ていた。あの、すみません…我慢出来ませんでした。だんだんと目と口が開いていき、机から目線を上げた彼は私をじっと見てくる。
「モンブランは…僕のモンブランは…」
首を傾げて惚ける。今言ったらめちゃくちゃ怒られそう。そないなわけないやろ!と私に詰め寄り、肩を掴んでなぁ…と悲しそうに見つめられた。明日買ってくるからと宥めるが、待てへんと呟く。
「いや、あの…本当にすみません。我慢出来ませんでした」
そこまでモンブランが大好きなのだとは思わず、訓練や仕事が増やされるだろうかとヒヤヒヤする。私の顔をじっと見つめた副隊長は、いきなり唇を舐めてきて、そのまま口をこじ開け舌を入れてきた。口内全体を舐め回され、鼻にかかった声が漏れる。
口の中に残った甘さが奪われていく。胸を押しても離れてくれず、ぐちゃぐちゃに舌が絡み合って溜まった唾液を全て奪い取りながら離れていった。
「っ、はぁ…許さへん。明日朝一で買ってこい。」
腰が抜けた私はその場にへたり込み、はい…と答えながらぷるぷると震えていた。嫌じゃなかった…こんなことをされてしまえば、意識して上手く副隊長の顔なんて見れない。