第27章 私の安眠法✿保科宗四郎✿
眠い…とても眠い。最近、全然眠れなくて訓練の途中で寝そうになったりする。頭も痛いしだるいし…薬を飲んでもあまり眠れない。ボーッとするので訓練中によく副隊長に怒られては頭を下げる日々。ちょっと頭のネジが外れている友人に相談すれば、やれば寝れる!と言われる始末。
「三浦、訓練終わったら僕んとこ来い」
そろそろ本当に雷が落とされるのかもしれない。毎日ハードな訓練をして身体は疲労が溜まったまま…精神的にもきつくて、死にたいまで思うようになってしまった。もうやだな…このままだと足を引っ張るだけなので、防衛隊も辞めようと考えている。
訓練終わりに保科副隊長がいる執務室まで来て、何か言われる前にすみませんと頭を下げた。どうせ怒られるのなら先に謝ってしまおうと…こっち向けと言われたので、その場で正座をして副隊長を見上げた。座れとは言ってへんと呆れられたが…。
「隈やばいな…寝れてへんのやろ。どんくらい寝れてないん?」
怒られると思っていたのだが、副隊長は優しい声色で大丈夫か?と言ってくださる。ここ1週間はまともに眠れていない。訓練中に一瞬意識が飛ぶのと、夜中に目を瞑っているだけの仮眠。
医師に相談したのか、薬は飲んでいるのか、原因はわかっているのか色々聞かれて、帰る準備して待ってろと言われた。原因は恐らく、同期に置いていかれそうな不安からくるストレスだろう。私はみんなより弱い、だから不安になるのだ。私がこのまま隊員でいてもいいのだろうかと。