第15章 桜の木の下で✿保科宗四郎✿裏
「三浦、膝痛ない?ちゃんと座りや。」
「え、大丈夫ですよ。正直座るのはちょっと…。」
みんなが来てお花見を楽しんでいると手を引かれて、こっそり2人で抜けた。
少し人集りから離れた桜の木の下に連れて来られて、逃がさないとでも言うように両手を握られる。
まさか…こんなところでするつもりじゃ…。
「酷いことしてごめんな。もう抑えられへん……本気で君が好きなんや。身体だけでも離れらへんようにしよう思っとった。もうあないなことはせぇへん。これからは好きになってもらえるよう頑張るわ。」
儚げに笑った副隊長があまりにも綺麗で離したくないと思った。
「あ、あの…ずっと好きでした。だからずっと拒まずに受け入れていたんです。宗四郎が好きです。」
目を見開いて驚いた表情をする彼はぎゅっと抱き締めてきて、耳元で呟く。
「まじか…やばい、めっちゃ嬉しい。あないなことされとったのに、ずっと好きでおってくれたん?そんなん愛しすぎるわ…もぉあかん…抱きたい。」
今日は2回も抱かれたんですが…。
ほんまは僕、めっちゃ優しく抱く男やからな、と触れるだけのキスをしてみんなのところへ戻った。
春を告げる桜の木の下で私たちの想いは通じ合った。
___________....end.