第14章 寵愛と溺愛✿保科宗四郎+α✿裏
立ち上がりながら唇を重ね、ゆっくり後ろに倒された。
薄暗い部屋で影になった彼の表情は窺えない。
「なぁ、このまま抱いてもええ?」
「え、ん…んぅ…。」
聞いといてすぐに口付けて舌を絡ませるのは、聞く意味がないですよ。
優しくゆっくり舌がぬるぬると滑り、壊れるものを扱うかのように頬を優しく包み込む。
こんなキス知らない…男の人がここまで私を宝物のように大事にしてくれるなんて、知らなかった。
名残惜しそうに離れていく唇を銀糸が繋ぐ。
「あかんやばい…めっちゃ幸せや。絶対手に入れたる思っとった好きな女が、今僕の下で僕を求めとる。」
このまま死んでもええと瞳に熱を宿したまま柔らかく笑い、首筋に何度もキスをする。
「好き、好きや…愛しとる。絶対幸せにしたるからな。僕と付き合うたこと後悔させへん……好き過ぎて心臓ないなりそ…。」
あぁ、今私…身体が震えるくらい幸せだ。
宗四郎さんの肩に触れる指が震えている。
顔を上げた彼はじっと私を見つめてくる。
「もしかして、怖い…?こないにがっつく僕、嫌?」
震えとる…と肩に触れていた手を取り優しく握る彼に首を振って笑った。
「違います。好きな人にこんな風に大事にされてるってわかって、すごく幸せなんです。」
「……今日は抱かへん!美影のことめっちゃ大事やからな!……やけど、もうちょい触らして。」
別にしないことが大事にしてるってことじゃないのに…抱いてもいいかって言われた時キスで塞がれたけど、抱いてくださいと頷こうとしていた。
手を握っていた手が離れ、胸の膨らみの上にそっと置く。
「結婚するまで生でしたくないねん。いっつもセックスで辛い思いするんは女の子や。ずーっと大事にさせてな?」
避妊具がないからしないと言ってるのだと察した。