ダイキライなあの人は私の元婚約者【怪獣8号*保科宗四郎】
第2章 宣戦布告
『ッん、、、///そんなことないです!』
耳元で甘ったるい声で囁かれればつい声が漏れてしまう。
負けてたまるかと思い、勢いよく彼の方へ視線を戻せば真剣な顔をした彼と目が合った。
「なぁ、、、随分アイツらと仲ええんやなぁ。」
そう言いながら私の髪をさらーっと撫でて、くんくんと匂いを嗅ぐ姿はまるで彼氏のようだ。
『アイツらって、、、』
「市川らや、、、妬けるなぁ。僕のやで?ほんまはこの制服かてスカートやなくてズボンにして欲しいくらいやのに」
厭らしく私の太ももを撫で回す彼の手を払いのける、、、
『ッん//だから私はもう貴方の、、、』
「婚約者や」
『はっ!?、、、何言って、、、』
彼の言葉に一瞬だけ脳の動きが停止した。
「せやから君は僕の婚約者や!僕の未来のお嫁さん」
『じゃあなんで、、、あの時、、、』
そして彼はあの時のことを話してくれた。
戦場で仲間たちが無惨にも死んでいく姿を見たこと、その姿が私に見えてしまうこと。
私を失うことが怖くて堪らないと、、、
「僕は今でも君のこと愛しとる、、、せやから今からでも遅ない!防衛隊は、、、ぐえっ!)なにすんねん!」
腹部を抑える保科はを見上げる。
のパンチがクリーンヒットしたのだ。
『ふざけんじゃないわよ!そんな理由であんな事言ったの!?』
「そんな理由やあらへんわ!!」
『私は貴方を守れるくらい強くなるって言ったでしょ!!』
「せやけどなぁ!」
『見てなさい、保科宗四郎!私の実力を、、、私がどれだけ強くなったかを!!私はこれで失礼します!!』
宗ちゃんの言葉を聞いてすごく嬉しかった。
私の為だったのだから、、、だけどそれと同時に凄く悔しくなった。
私が弱いと思われているからだ。
貴方の隣にいる為に、貴方を守る為にどれだけ努力したかを貴方は知らないのだから。
だから私は認めさせる。
貴方の隣で一緒に戦えるほど強いってことを、、、
私は彼に宣戦布告をし、部屋を出たのであった。