第15章 考え

｢あ、あそこにいるのはまえよんさんたちじゃね？｣
｢あ、ヒカックだ！　おーい、ヒカックー！｣
　まずはきおきおさんが僕たちに気づき、次にオウムちゃんがこっちを向いて両腕を大きく振った。僕は二人の元に走って近づいた。
｢オウムちゃん、探したんだよ！｣
　僕はてっきり……と言いかけて口を閉じる。僕は一体、オウムちゃんに何を言おうと？　自分の中の芽生え始めている疑う感情に僕自身が驚いた。
｢え、探してたの！？　……ごめんなさい、ヒカック｣
　オウムちゃんは本当に申し訳なさそうに謝る。こんなに落ち込んでいるオウムちゃんを、僕はどうして疑ってしまうんだろう。
｢あ、オウムちゃん！　いたんだ！｣
　そこに、コハロンもやって来て、間もなくぽんPもぎぞくも駆けつけてきた。
｢見つかったんだ｣
｢オウムちゃん、きおきおさんのところにいたのね｣
　すると、オウムちゃんはニコニコと笑って。
｢そうだよ！　あのねあのね、きおきおに手伝ってもらってたの！｣と言いながらオウムちゃんは僕の手を掴んだ。｢ヒカックに恩返しだよ！　こっち来て！｣
｢え、えっ？！｣
　僕が驚いているのを待たずに、オウムちゃんはどこかへ連れ出した。僕はぎぞくを振り向くと、そこにはまだオウムちゃんを疑っているような、それを誤魔化しているような顔をしていて複雑だった。
　そうとは知らないオウムちゃんは、きおきおさんに頑張って作ったよね〜、と話しかけながら僕の手を引いてどこかへと向かう。コハロンもぽんPもついて来ているが、二人がどう思ってるのか僕には分からなかった。