第6章 穢れた過去
カミュside
ガチャ…
黒崎と2人で
帰宅すると
〇〇がソファで眠っていた。
昨日は無理をさせてしまったんだ。
仕方あるまい…
起こさないよう
自室に戻り、
荷物を下ろして
またリビングの方へ降りると
『…っ、………』
〇〇が魘されている。
眉間に皺を寄せ、
ガタガタと体を震わせて
『ごめんなさ……や、…めて……』
涙まで溢れている。
昨日のことで魘されているのかと
心が痛み、手を握ってやるが
一向に起きる気配がない。
黒崎も異変に気づいてか
駆け寄ってきて
「おいっ!大丈夫かっ!?
おい!〇〇っ!」
と、肩を揺すって
起こそうとする。
すると、…
『はぁ…ん………ん…?』
と、その瞳を開けてくれる。
「大丈夫か?
魘されてたぞ…」
『ん?…ランラン…ミューちゃん…
あれ?2人とも…お仕事は?』
と、夢のことなど忘れたのか
現実に戻ってきた〇〇
「早く終わらせて帰ってきた。」
と、黒崎が伝えると
へらぁっと笑って
『そうなんだ…
おかえりぃ〜』
と返してくる。
あまりにもいつも通りすぎて
俺達も聞くに聞けない…
たまたま悪夢に魘されていただけだったのか?
「…」
何も言わず、
彼女の目から零れそうな涙をすくうと
『…?あれ?、わたし、泣いてる?』
って、本当に
何も覚えていない様子。
「昨日の俺たちが
夢に出てきたんだろう…
悪夢だったよな…すまない。」
『ふふっ…ミューちゃんどうしたの?
なんだか、しおらしいね…//』
そう言って俺の頬を
愛おしそうに撫でる彼女に
また俺は甘えてしまっていいんだろうか…
「体は…大丈夫か?」
黒崎も〇〇の足元に跪いて
まだ痛々しい痕の残る手を握る。
『うん…見た目ほど、
痛みは無いよ…^^』
しばらく
そんな会話をしていると
リンゴーン…
と、訪問者を表すチャイムがなった。
「……」
「……」
俺と黒崎の表情に
一気に緊張がはしる。
〇〇も
『…はーい!』
なんて、正門を開いているが
緊張しているのが分かる。