第5章 ST☆RISH ツアー中の過ごし方
2人の大きな背中が
丸まって怯えていて、
まだ心は私にあるのだと
実感させてくれる。
『ううん。
本当に大丈夫…
ちょっと怖かったけど、
2人になら…
何されても平気だから…』
ギュウッと抱き締め返して
大丈夫だよって
精一杯伝えてあげる。
お互いに見つめ合い
2人とキスを交わす。
昨日は無かったくちづけ。
少し体を離して
手を繋ぐ。
体を引きずっているのを見て
ランランが
「抱っこしてやる…」
ってお姫様抱っこしてくれる。
『ありがとう…//』
「ん…」
トスッとソファに座らされて
『ちゃんと…菱…呼んだから…
だから、2人とも…
私のもとから…離れないでね。』
「…それはこっちのセリフだ。
今日は俺たち午後からで、
18:00には戻るから。」
『う、うん…
私は…お休みって言ってある。』
「俺たちが帰るまで
絶対に家にあげるなよ。」
『はい。』
**
「それでは行ってくる…」
『うん。
気をつけて( ¨̮ )』
「なるべく早く帰る。」
『うん。
ありがと…//』
ランランとミューちゃんは
なんとなく気まずいからか
頬にチュ…としてダイニングを出る。
ガチャ……バタン…
『……ふぅ…
落ち着こう。大丈夫。
2人は、元彼たちとは違う…』
自分に言い聞かせながら
そう呟いて再びソファに腰掛ける。
すると…いつの間にか眠ってしまっていた。
**
声が聞こえる…
「ごめん、俺、好きな人ができたんだ…」
『貴方まで……ひどい…』
「お前…重いよ……」
『あ、ごめんなさ…』
「なんだか…汚く見えるって言うか…」
『…ごめんなさい。』
「僕のなのに…
なんでそんな格好するの。」
『…はぁ、…ハァ…』
やめて。
「ねぇっ!」
『っ…』
殴らないで。
「やっと、…僕のものだ…」
ニヤッと笑う口元
全身を炎で焼かれているような感覚。
窓のない暗い部屋
そして、病室のベッド
4人の笑顔……
行かないで…
END