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【R18】欲ばりに花束を。[うたプリ]

第5章 ST☆RISH ツアー中の過ごし方




「じゃあレディ…いってくるね…」

「1人で家にいる時は
ちゃんと戸締り…してくださいね?」

2人に
前と後ろから抱きしめられて
まるで世界に2人と私だけのよう。

『うん…2人も、
ハードスケジュールだけど、頑張ってね。』

「はい。電話…絶対かけますから。
…チュ…」

『うん…ありがと…//』

「レディ…あの2人にも
十分気をつけてね?

…チュ…」

『…うん。…//』

名残惜しくも
6日分の荷物を持った2人を見送る。

ガチャ…

バタン…

と、扉の閉まる音がして

部屋がシン…とする。

『…………
よし、私も支度しなきゃ…』


**

正門が開いて
私の運転手兼秘書がガレージの前に
車を止めるのが分かる。

車はカモフラージュのために
クリーニング店の営業車に似せている。

縁の無いメガネに黒いスーツを着こなした男が
ダイニングの扉を開ける。

「□□様…お迎えに上がりました。」

『菱…ありがとう^^』

「…同居人の皆さんは?」

キョロキョロと部屋を見渡す彼に

『菱が来る時に居たこと無いでしょ?
それに、会わせる気ないもん。』

というと、
残念…とでもいうように
眉を下げる。

「そうですか…
それよりも、
また依頼件数が増えていて
かなり逼迫した状況です。

先方にもスケジュールの見直しを
お願いしてはいるのですが…」

タブレットに
案件をまとめた資料を出してくれる

『…仕方ないよ。
舞台やコンサートって日程変えられないし』

「…ですね。
A社、B社どちらかの納期が
遅れてるのかもしれませんので、
そのあたりはヒアリングを続けていきます。」

『うん…お願い。』

タブレットをカバンに仕舞いながら
ダイニングの扉を先に開け
さあ行きましょうとでも言いたげな彼。

「…社長…」

『こら!
社長って呼ばないでってば!٩(๑`^´๑)۶』

「し、失礼しました。
□□様、続きは社で…」

『うん。早く行こう』

戸締りをしっかりして
偽のクリーニング屋の車に乗り込む。



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