• テキストサイズ

【R18】欲ばりに花束を。[うたプリ]

第17章 代替品の恋慕



**

〇〇side

化粧室で気持ちを落ち着かせると
涙腺をきゅっと締めて
御手洗から出る。

すると…

「〇〇ちゃん!」

と修斗が待ち伏せていた。

『修斗くん!
どうしたの?^^』

「遊ぶ約束だったのに、
急にどっか行っちゃうから
追いかけてきたんだよ!」

『そっか、そうだったね…( ˊᵕˋ ;)
ごめんね』

「〇〇ちゃん、大丈夫?
あの女の人に意地悪されたの?」

と言われてドキッとする。

そんなことはない。
けど、あの状況で2人と居るのは無理だったの。
……なんて言えない。

『ううん。されてないよ^^』

頭を撫でながら笑顔で応える。

「じゃあ、炎 暁?」

子供とはいえ、やはり子役は侮れない。
すごく人を見ている…

「それとも風野 颯介?」

〇〇を心配して根掘り葉掘り聞くところに
少しトキヤを連想して

『クス…』

と笑みがこぼれる。

「あっ、やっと笑った…//」

青年のような表情をする
修斗に思わずドキドキしてしまった。

『もう!
心配してもらわなくても大丈夫だよ!

ほら、遊びに行こ!』

どっちが子供なのか、
ダッシュを始める〇〇に

「あっ!ずるい!僕も行く!」

と、ついていく修斗。

〇〇は自分よりも小さいこの男の子に
驚くほど心を救われていた。

(ホントの彼氏は追いかけてくれなかったけど、
この小さな騎士がいるから今日は大丈夫。)


**

夕日に照らされた
倉庫の傍で隠れ鬼と称して色んなところに
身を潜める修斗

それを『どこかなぁ?』
なんて言いながら探す〇〇

すると屋上に向かう階段で
身をかがめている修斗が
地上から見える。

(いたいた…)

あと1フロア…という所まで
近づいていくと…

レンの荒ぶった声と

「安心しい…フられたわ。」
というヴァンの声が聞こえる。

ドキリとし、
修斗から見えない位置で足を止める。

チラッと見上げると
修斗も屋上の様子が気になって
見ているようだった。

「…っ……そうか…」

〇〇は、ヴァンが春歌に告白してフられ、
レンが今静かに安堵したのだと感じ取った。

「…ていうか、レンちゃんも本気やのに
なんで告白せえへんの…?」

「…フッ…
本気だからこそだよ…」

「…?」


/ 281ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp