第15章 まばゆい
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〇〇side
「それは大変でしたね…
でも、カミュ様からの
お仕事を頂けたのは
大きいですね。
(この子のメンタルのためにも…)」
『そうなの。
ミューちゃん、いいこと言うんだから^^』
菱の車で今日の出来事を
共有していると
「あ、そういえば!
あなた宛てのメールが
会社に届いていました。」
と、話題を変える菱
『メール?』
「出演依頼です。」
『……なんの?』
「ドラマです。」
『えー、珍しっ』
「ゲスト出演みたいですよ^^」
『へぇー!』
と、相槌をうちながら、
社用のスマホでメールを確認する〇〇
要するに
法廷ドラマ「風と炎」の、
原告側でゲスト出演して欲しいとの事。
『…法廷ドラマかぁ…経験ないかも。
関連ドラマ見漁ろう〜^^』
なんて、呑気なことを言っていると
「弁護士役、神宮寺レンらしいですよ。」
『えっ!?ほんと!?
より楽しみかも〜!٩(ˊᗜˋ*)و
今日はあまりお喋りできなかったし。
(そんな空気じゃなくて…)』
「クス…そうですね^^
ただ、ドラマ撮影に入る前に
今手懸けている舞台衣装の仕上げは
終わらせた方が良さそうですね。」
『確かにそうだね!
あと何週間かあるから、
なんとか納品できるようにしよ』
「ええ。」
そして今日の出来事を反芻しながら
ST☆RISHとHE★VENSの面々を思い返す。
(皆キラキラしてたな…
皆の輝きを邪魔しないように…
支えられるくらい強くなるから。)
同棲はまだ解消されたままだが、
副業でも新しいことが上手く行き、
本業もそれなりに仕事を貰えている〇〇は
人生で1番順風満帆なときを過ごしている。
(皆、たくさん頑張ってる
だから私も頑張るんだ…
皆が安心して帰れる場所に
なってみせるからね…)
そう心の中で誓いながら、
未来の自分の姿に夢を馳せる。
きっと大丈夫……きっと……
END