第14章 告白
〇〇side
リビングのソファにもたれかかって
ハイボールを飲みながら
物思いに耽る
誰か1人を選ぶとしたら…誰だろう…
と考えていると
ふと、過去の人達の顔を思い出す。
(あれ、なんで振られたんだっけ…?)
この疑問を深堀ってみようと思った。
ひとつは…菱に取られるから…
「ごめん、俺、好きな人ができたんだ…」
こうやってよくフラれてるな~…
トラウマアーカイブを開きながら
憂鬱な気持ちでこの時間を過ごしていく。
あとは少し依存癖があって、
何でも合わせてしまう私は
「お前…重いよ……」
って言われちゃうこともあった。
『重い……か………』
ずっしりと乗りかかり、
〇〇の新しい恋へ向かう足取りを
重くさせるこの言葉。
さらに瑛一あの言葉も…
「お前にはもう魅力を感じない。」
と冷たく言われ、
相変わらず依存しようとする私を
突き放してくれた。
あのままズルズル付き合っってたら
2人ともダメになってたんだろうな…
トラウマには違いないけど、
あれがあったから今があるとも思える。
1番刺さったのは病室で言われたあの言葉…
「なんだか…汚く見えるって言うか…」
ストーカーに拉致監禁されて
何とか救出された私に彼が言った言葉。
そんなこと、分かってる。
貴方に言われなくたって…
でも、そこで涙を流す可愛さは
持ち合わせてなくて
必死にこらえて、
彼が病室を出たあと
死ぬほど泣いた。
外の空気を吸うために開けた窓から
菱と2人で出かけるところをみて、
信じられないほど
気持ちが冷めた。
私はこの時決めた。
もう男に現は抜かさない。
依存する側じゃダメ。
経済的にも精神的にもしっかりして、
男の子ともライトな感じで付き合って
楽しいことだけやって暮らそう……
『……で、気づけば24か…』
……大分話が横道に逸れちゃったな。
……いや、待って。
本当に誰か1人を選ばなきゃ行けないのかな。
皆がいいってさえ言ってくれれば
5人で付き合うこともできるんじゃ……
あ、いや、でもそれはどうなの?
でも1人だけを選んだら
また重いって言われてフラれるんでしょ?
菱を好きになったってフラれる…
どうせ減っていくなら、
みんなと付き合って
最後まで残った人と幸せになろう…