第13章 Mighty Aura
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クリーニング車で
シャイニング事務所の寮まで
トキヤを送迎して
『じゃ、頑張ってね。』
と送り出す〇〇
「はい。」
車から出かけたトキヤを
『トッキー!』
と呼び止める〇〇。
「はい?」
『私にいつもココが可愛い、素敵って
言ってくれるみたいに、
みんなの素敵なところ、伝えてあげたらいいよ。
凄く嬉しいものだから。』
そう言って
じっとトキヤの目を見つめる。
「……クス……はい。
では、行ってきます。」
『ニコ…行ってらっしゃい。』
トキヤは菱にもペコッとお辞儀をして
「〇〇さんをお願いします。」
と言い残して
去っていった。
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帰り道、
車の中で菱と〇〇の2人だけ。
「……イケメンでしたね。」
と言う菱の目線は
前を向いたまま。
『ね。久々に見ると
トッキーの破壊力ヤバイわ。』
窓に肘をついて、
今日はもう疲れたと顔が語っている〇〇。
「違いますよ。
□□様がです!」
と口元を緩める菱。
『うえっ!?
あ…そ、そう?///』
と、驚いてから
照れた表情に変わる〇〇
それからふと窓の外を見つめる。
コンペに採用されたので、
他の衣装についても考える必要がある。
これから大忙しになる2人の今後を
想像しながら
窓の外の景色をずっと眺めていた。
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数日後
「デュエット曲完成しました。」
というメッセージと共に
MVと、瑛二とぎこちなくピースをした写真が
トキヤから送られてくる。
そして、
『動画ありがとう。
上裸のところ、なんかイヤらしいね。
ちゃんとCDも買ったよ。』
と、CDと2ショットの自撮りを
送ってあげる〇〇
「厭らしくないです。
CDも送ったのに。」
と、返事が返ってきて、
『自分で買うことに意味があるの。
私の方もそろそろ
QUARTET NIGHTの
Pick me(写真集)出るから送るね〜!』
と、さらに返すと
「自分で買います。
自分で買うこと意味があるんで。」
と返ってくる。
こんなやり取りに笑ってしまう。
「□□様!そろそろ再会しましょう」
という菱の言葉に
『はーい』
とスマホ閉じてその場を後にする。
(皆…待っててね)
END