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【R18】欲ばりに花束を。[うたプリ]

第13章 Mighty Aura




~♪

キュッ…キュッ(ステップの音)

レイジング事務所にて
HE★VENSの練習の様子をみて
焦りを覚えるトキヤ。

さらに、鳳瑛二という圧倒的才能に
初めて個人として畏れを感じてグッと拳を握る。

「……」

レッスンルームのなかでは、
休憩中の鳳瑛一が
トキヤに気づき、

「なんで、あいつがここに…」

と呟く。
すると、向こうもこちらに気づいたのか
ペコッと頭を下げる。

瑛一が水分補給を一通り終えて、
声をかけに行こうと
1歩を踏み出そうとしたとき、

「あっ!一ノ瀬さん!」

と、彼の弟、鳳 瑛二が声を上げる。

「ん!?…お前が呼んだのか?」

と聞くと、

うんと頷いて、

「一緒に練習しようって俺が誘ったんだ。
マズかった?」

と不安げに聞いてくるので

「いや、好きにしろ…」とだけ伝える。

そして、
トキヤの方に向かう弟の背中を見送った。

**

(一ノ瀬トキヤ…
親父が認めた才能…)

瑛一がそんなことを考えながら
廊下を歩いていると

見覚えのある顔が
衣装等を保管してある倉庫から出てきた。

『じゃあ、また何かあったら
弊社の方に連絡ください。』

と、衣装を管理しているスタッフに
ペコッとお辞儀をして

くるっと瑛一の方を向いて歩き出すのは
副業モードの〇〇だ。

すると瑛一に気づき

はっという顔をして
目を逸らし、ペコッとお辞儀をして
通り過ぎようとする。

「……また、逃げるのか?」

瑛一が足を止めてそう声をかけると

『はい?』

と、聞き捨てならないと言わんばかりに
足を止めて睨みつける〇〇

「…なんだ、
以前はいいこぶりっこばかりで退屈だったが、
少しは…変わったのだな…」

鋭く瑛一を睨みつける〇〇の顎を
くいっとあげて
もっと顔をよく見せろと言わんばかりの瑛一。

『なんで瑛一のためみたいな言い方なのよ。
私たちもうとっくに終わったの。
…絡んでこないで。』

冷たく言い放つ〇〇は
その手をパシっと振りほどく。

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