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【R18】欲ばりに花束を。[うたプリ]

第12章 向き合う



**

「わぁお。
随分いい家に住んでるんだね。」

と、入室して早々に
部屋を物色し始める嶺二

「こんな広い部屋に
1人で住んでるの?」

って、探りを入れてくるから

『もう気づいてるんでしょ?
余計な詮索しないで。』

と言うと
ソファにボスっと座って

「えへへ~。
この家でランランとミューちゃんが
一緒に住んでたって凄いよね…

今の家では2人とも喧嘩ばっかりだよ。」

と、いつになく神妙な面持ちで話し始める嶺二

『……2人、どうしてる?』

「何も連絡ない?」

『うん…

何も連絡ないってことは、
上手くいってるんだと思ってた…』

と答えながら
コーヒーをカップに淹れる。

すると、

「実は………もうダメかもって…思っちゃって。」

と悲しげな表情で呟く嶺二。

『ダメって?』

私は淹れたコーヒーを
テーブルに起きながら
嶺二の斜め向かいに腰掛ける。

「僕達バラバラなんだ…
全く同じ方向を向いてない」

と、泣きそうな声。

『嶺二………』

私は嶺二の方に少しだけ近づいて
ずっと話を聞いてあげた。

彼らが結成したのは本人達の意思では無いことや
ランランとミューちゃんの折り合いが悪いこと
藍ちゃんがどこか他人事なこと。

そして嶺二のこれまでの苦労…

**

「だから…もう無理なんじゃないかって思う…」

そう涙ぐむ彼に

『そんなことないよ。

今は皆、嶺二に甘えてるだけ。

嶺二なら何とかしてくれるって
何でも受け止めてくれるって
思ってるんじゃないかな…』

と、真っ直ぐ目を見て言ってあげる。

「でも…それじゃ、
ST☆RISHやHE★VENSには勝てないよ。」

と、嶺二の意見はもっともだ。

それならと

『じゃあ…私の話も少し聞いてくれる?』

って言うと…

「うん。ごめん、僕の話ばかりしちゃって…」

『ううん。いいの…聞いて。

私が副業を始めるきっかけになった事件…
覚えてる?』

「あ、あぁ。あのストーカーの…

徹底的に緘口令が敷かれて
メディアでは取り上げられなかったけど、
業界では噂になってたよ。」


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