第11章 SSS選考ライブ
選考ライブ当日
自宅のテレビの前で
祈るようにして画面を見つめる〇〇。
ついにこの日が来てしまった。
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先月彼女の自宅に呼び出され、
彼氏(たち)を紹介されたときは驚いた。
あのSSSオープニングアーティスト最有力候補の
QUARTET NIGHTと
うたプリアワードで優勝したST☆RISHの
メンバーだったから。
しかも付き合い始めたのはつい最近で、
彼らはSSSのオープニングアーティスト選考ライブに向けて
猛練習&積極的な芸能活動中のはず
そんな大事な時期によく彼女なんて…と思ったが、
彼女からあの公演で意気投合した話を聞いて納得した。
彼女の経験も彼らの活動を後押しする要因になったのだ。
そんな経験豊富な彼女に支えて欲しいと
4人もの男が思ったのだろう。
(まさか5人で付き合うことになるとは
思わなかったと思うけど…)
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そして今日
4人を含めた
2組のアイドルグループの運命が決まる。
『ごめんね…今日は無理言って…』
プライベート仕様の私にこう言って
見つめてくる可愛い〇〇。
1人で現実を受け止められるか分からないから
一緒に観て欲しい…
なんて、可愛いこと言われたら
「いいに決まってるでしょ?
友達の彼氏の命運を分ける日だもの。
こんな日に私を呼ばないで誰を呼ぶのよ」
と笑顔で返すしかない。
『…ありがとうぅぅ(。>ㅿ<。)』
ぎゅぅっとハグされる。
「うふっ♡
貴女相手なら女もイケるかも?
なんて言ってらどうする?」
と意地悪を言うと
『え?それは友達やめなきゃいけなくなる』
と、パッと手を離す〇〇
「嘘よ。付き合い長いんだから
冗談かどうかくらいわかるでしょ」
『もう!今そんな余裕ないんだってば!(=_=)』
ベシッと叩かれて
2人で笑い合う。