第2章 不思議なタイツ
――――…次の日、美兎はさっそく白い方のタイツを履いて大学へ行った。
講義の後は颯真と自習室で逢うことになっていた。
試験が終わったばかりの大学の自習室は他に学生もおらず、静まり返っていた。
「お待たせ。美兎ちゃん。」
遅れて入ってきた颯真。
「颯真くん!」
ぼんやりと教科書を眺めていた美兎の表情(かお)が輝く。
「美兎ちゃん、今日も可愛いね。」
他に誰もいないことを確認した颯真は美兎の隣に座るとふっくらとした頬っぺたに軽くキスをした。
「……………!」
恥ずかしさに俯いた今日の美兎は白のタイツに合わせて水色のフワフワのニットのワンピースを着ていた。淡いピンク色に染まった頬によく映える。
「………僕のウサギちゃん♡」
颯真はカラダを寄せてきて美兎の肩に頭をもたげてきた。
美兎の方が年下なのに颯真はこうして甘えてくることがあった。
(もう!甘えんぼ!でもなんかうれしいな………)
美兎はうっとりと目を閉じた。
………ぴったりカラダをくっつけた颯真の右手が白いタイツに包まれた美兎の膝に触れた。
「今日はホントに白ウサギみたいだね。」
颯真の大きな手は膝から水色のワンピースの中に滑りこんできた。
(ひゃっ……やだっ、だめ!
でも………ソコ……キモチ良すぎて抵抗できないっ………)
美兎は何も言えなくなってただ真っ赤な顔で俯いていた。
颯真の手が柔らかな太ももまで伸びてきた時…………
『バチバチバチッ!!』
―――――弾ける様な音がした。
「い、いてっ!!」
颯真はワンピースの中から手を引き抜いた。
「だ、大丈夫?颯真くん!」
「大丈夫だ、ちょっとピリッとしただけ。僕よりも美兎は?」
「私も大丈夫。チクッとしただけ…………」
その時自習室の扉が開いた。