第10章 生徒会長[〇宇髄天元]
「これで生徒会を終わります。
各自先生の指示に従って教室に帰ってください」
マイクのスイッチを切り、はステージから降りた。
ステージから降りた時、美術教師の宇髄天元と目が合った。
手を振られたが無視をし、彼女も教室に戻る。
「はーいHR始めっぞー」
しかし担任が宇髄なので嫌でも顔を合わせることになる。
放課後は生徒会の仕事やらなんやらがある中、宇髄は彼女に用事を言いつける。
断れないと分かっている宇髄はわざと頼む。
それを本人も分かっているので、内心イラつきながらも用事をこなしていく。
弱みを握られていなければ用事は断れるのに、弱みを握られているから断れない。
「ってなー、それで煉獄がー」
「……」
カタカタとパソコンを打っているの横で宇髄は話していた。
生徒会室には彼女だけではなく、副会長もいるため、この状況が分かっていなかった。
「あ、あの……会長?
いいんですか?宇髄先生の事無視して……」
「え?私と君以外ここにいる?」
「…いえ」
「もー怖いなぁ。
はい、これホチキス。
できる所まででいいからね」
「はい」
無視をするに宇髄はニヤッと笑い、携帯をおもむろに取り出し文字を打っていた。
ピコンと彼女の携帯が鳴ったが、宇髄からだと分かっていた為無視をした。
「あ、なあ鈴木」
「?はい」
「俺こいつと2者面談あるんだったわ。
そのホチキス代わりにやっとくから、今日は帰って大丈夫」
「は?」
宇髄の発言には驚いた。
「え?そうだったんですか?」
「いやないよ?ないから」
「え?」
「こいつ面談したくないって言ってずっと先延ばししてるからさ、な?副会長頼むよ」
「アンタ何言ってんですか…?」
「分かりました」
「あっ、ちょっと!」
「会長、面談はしっかりやらなきゃ駄目ですからね!」
そう言って副会長は出ていき、生徒会室に取り残された2人だった。