第1章 辞めさせるために[☆不死川実弥]
何度体を交わえたか分からない。
男女の吐息が、風柱邸の一室に響いていた。
「っ………」
「………くっ……」
ゴリュゴリュと中で動き続けられ、
彼女は何度も達した。
「気持ちいいか……?」
汗でへばりついた前髪を退かしながら、聞いた。
彼女は何も言わなかったが、強く彼の腕を掴んだ。
「っ…力抜けれそうか……?」
「抜いて……る……んっ……」
力を抜けさせるために、彼は彼女に接吻をした。
浅いのから深いのまで何度も。
力が抜けたと分かった時、彼は奥まで深く突いた。
接吻をされていて、声が出せない代わりに、
彼女は腰を反らせた。
「やっ………そこっん………だめっ、だから……!」
「これで最後にするから………」
その言葉に信憑性はなかった。
先程もそう言って、今もしている。
肌と肌がぶつかり合う音と、どちらかの音か分からない水音、
時々漏れる男女の声。
「っ……抜くぞ」
「あっ………!」
白い液体が彼女の腹部に掛けられ、
降ろされた足はガクガクと震えていた。
手拭いで液体を拭き、まだ息の荒い彼女の額に唇を落とした。
「悪ィ、キツかったか?」
「……うん」
「悪ィな…」
「……でも…………気持ちよかった……」
そう言って微笑む彼女を見て、彼のスイッチがまた入ったのは別の話。