第8章 ほくろ[✩宇髄天元]
ー現代、キメツ学園ー
「皆、席に着け」
悲鳴嶼の声で皆が席に着く。
「今日は新しい現代文の先生が赴任される日だ」
入っていいぞと言い、その声で職員室のドアが開かれる。
宇髄はその人物を見て目を見開いた。
「今日からお世話になります。
現代文担当のです。
まだ右も左も分からぬ新参者ですが、宜しく御願い致します」
聞き慣れた声と、見慣れた姿。
宇髄は席を立とうとしたが、まだ終わっていなかった為立つのを堪えた。
朝礼が終わり、彼女が1人になったタイミングで話しかけた。
「お前…本当に、本当にか……?」
「………お前があの時付けてくれたお陰で、二の腕に濃いほくろができた」
「本物だ………」
「それは嬉しさのあまりそう言ってるって捉えるぞ」
宇髄は彼女を抱き締めた。
「………ただいま、天元」
「あぁ……おかえり」
彼女が赴任した翌年、2人は結ばれた。