第4章 飴[○不死川実弥・宇髄天元]
「、今度時間空いてるか」
「………空いてません」
小テストの丸つけをしている時に宇髄先生が聞いてきたが、誘われる気がしたので断った。
あなたと2人きりにはなりたくない。
何をされるか分からないし逃げられないから。
「不死川も来るけど」
「……………行きません」
何で不死川先生が来ると私も来るって思ってるのか。
「俺アイツに宣戦布告するわ」
「は?」
「本気でお前のこと好きだから。
取られる前に取ってやる精神?」
「私モノじゃないんですけど。
それに不死川先生は私の事好きじゃありませんし」
「……それ本気で言ってんのか?」
本気じゃないなら何なのか。
何でそんな目をするのか。
ていうか丸つけに集中したいからどっかに行って欲しい。
「俺がお前を落とすからな!」
「はいはい」
言いたいことを言い終わったのか、宇髄先生は去っていった。
不死川先生が私の事が好き?
ないない。あの人恋愛しなさそうだし。
彼女はいた事ありそうだけどすぐに振ってそうだし。
泣きたくなったら来いって言ったのも、
あれはあの人なりの優しさというか、気遣いというか。
行くつもりもないし、行ったとしても迷惑だろうし。
飴をくれたのも余っていたから。
それに私も恋愛をするつもりは無いし、してはいけないから。
私はもう綺麗な女の子じゃない。
「………ゼロ……!?」
嘴平くんの採点をしていたら、何と全問不正解。
問3の答え……これなに。天ぷらって……!!
家庭科のテストじゃなくて数学のテストなんですけど!!
どこか部分点数付けられるところないか……。
ゼロは凄いぞゼロは。
よくよく見てみると、途中式まで合ってるのがいくつかあった。
良かった。これでゼロじゃない。
まあ小テストだし、定期テストで点数とってくれたらいい。