第2章 ただの同僚[〇不死川実弥・宇髄天元]
「これ、ありがとうございました」
「……………あぁ…おゥ」
クソな出来事から3日後、先生に服を返した。
先生は忘れかけていたのか、中身を見るまで何か分かっていなかった。
「不死川、に何渡されたんだよ」
そんな会話が聞こえてきた。
何故そんなにまでして気になるのか。
不死川先生は、適当に誤魔化していた。
誤魔化されたとわかったダルマは、しつこく聞いていた。
「おい、火ィ投げろ」
ライターのことかと思い、カバンからライターを出し、先生に向けて投げた。
先生はそれをキャッチし、逃げるかのように職員室を出た。
あなたが逃げると私が逃げれないんですけれども。
逃げないで欲しいんですけど。
ほら私のところに来た。
逃げようと立ち上がると、腕を掴まれた。
「なぁこの間のことなら謝るから逃げんなよ」
「……触らないでくれます?」
「俺の事派手に嫌いだな」
「嫌いですよ」
そう言うと、パッと手を離した。
「あーそうかいそうかい。
じゃあ不死川とお幸せにな」
「はぁ?何でそこで不死川先生が出てくるんですか」
「仲良いだろ」
「良くないですよ別に……」
早く戻ってこい不死川。
こいつと話すのは疲れるんだよ。
「その辺にしておけ宇髄。
見苦しいぞ」
伊黒先生がダルマを止めた。
そばに居たカナエ先生も、心配そうに私たちを見ていた。
ダルマは教材を持って職員室を出た。
椅子に座り直し、息をつく。
「大丈夫だった……?」
「あー…はい。
好感度はマイナスいきましたけど」
掴まれたところを擦りながらそう言う。
やばい、震えてた。
多分アイツそれを分かって離した。
今はみんなが居るから聞いてこなかっただけで、
たぶんまた2人きりとかになったら聞いてくる。
"ほら、もう痛くないだろ?"
何で思い出すんだろう……
[続]