• テキストサイズ

善い愛し方と悪い愛し方

第2章 ただの同僚[〇不死川実弥・宇髄天元]


キメツ学園には、数学教師が2人にいる。
1人は、怖いと噂の不死川実弥。
もう1人は、不死川実弥とは正反対の




彼女のそれは表向きの性格だった。




学校の喫煙所でタバコを吸い、煙を吐く。
青空の下、彼女は音楽を聴きながらタバコを吸っていた。

彼女はこの時間が好きだった。
生徒のことを考えないこの時間が。




「火」




気配もなくやって来た彼に、彼女は肩を震わせた。
紙タバコを咥えた彼は、ライターのジェスチャーをした。




「………いい加減自分で持ってきたらどうですか」

「アンタなら持ってるからその必要はねェ」

「そうですか……」




私のライターも無限に使えるわけじゃないし、
たまに家に忘れてくる。

いつでも持ってるとは思わないで欲しいし、
私がいない時この人はどうするのだろうか。




昼休みの時間、生徒の部活の昼練の音が響く中、
2人は何かを話すわけでもなく、ただ黙って煙を吸っていた。



が、その沈黙を破るかのように、彼女は口を開いた。



「あーそうだ。今授業どこまでやってます?」

「二次関数」

「次のテスト範囲決めないと。
あんま範囲広くすると赤点増えますよ」

「赤点取りゃ補習だ」

「平均点の半分以下は赤点っていう概念やめた方がいいと思いますけどね。」

「平均点の半分以下を取ったやつが悪ィ」




それにしても限度があるというか。
だったら私のクラスは何人か赤点だな。

嘴平くんなんて全教科赤点になってしまう。
実質そうだけど。




「お前今度の飲み会行くか?」

「行かないです。宇髄先生にダル絡みされるので」

「なら俺も行くのやめるかァ」

「なんでですか?行ってきたらいいのに。」

「なんでもォ」




彼はタバコを灰皿に押し付け、1人で職員室に帰っていった。
携帯の時計を見ると、授業が始まる15分前だった。
/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp