第10章 生徒会長[〇宇髄天元]
「はあ?保護者は俺だろうが!」
「その保護者の元にを置いていたら、この子は必ず壊れます」
「担任風情が何言ってんだ!!来い!!
学校に文句言いに行ってやる!!」
連れてかれそうになるの腕を掴み、前に出る。
「俺は担任じゃない。
の彼氏としてここに来た」
「は?」
「……?」
呆然としているの手を引き、家を出た。
「待てクソ教師!!まだ話は終わってねぇ!!」
「俺からはもう何も話すことはありません。
このまま彼女は俺が引き取らせて頂きます。
荷物は後日取りに伺うので」
最後まで父親は何か言っていたが、聞かないフリをした。
家までの道、は俺に何かを言おうとしていたが、言葉が決まらないのか言うのをやめた。
俺の家に着いたとき、はやっと話し始めた。
「彼氏ってなんですか?
私いつから貴方の彼女になったんですか?
不純異性行為ですよ」
「なんだそりゃ。
俺は好きでもねぇ女にここまでしねぇよ」
「は?」
「気付かなかったか?俺ずっとお前のこと好きだったんだよ。
ギャップ萌えってやつ?」
「え?」
腕引っ張り唇を合わせる。
唇が離れた時、の顔は赤くなっていた。
林檎見てぇだなって思ってると、顔面を殴られた。
「いでぇ!!」
「な、なななななななにするんですか!?」
「お前が何するんだよ!」
「頭でも打ったんじゃないんですか?!」
「顔面なら今打たれたけどな!!」
「っ…本気なんですか?!
父にあんなこと言って、私を引き取るって!」
「本気だぜ俺は」
「それは担任としてですか。
それとも……」
まだ顔を赤くさせているの両頬を両手で包んだ。
面白いくらいに素直で真面目で、だけど実は心の傷を隠すように"ソレ"を演じていて、
本当は弱くて泣き虫で、タバコなんて吸っちまう不真面目な奴で。
可愛くて可愛くて仕方がなかった。
「な、なんですか……」
「言っただろ?
担任としてじゃない。彼氏として来たって」
「……」
「好きだ。
そりゃもうド派手に」
「……っ」
「今度は殴るなよ?」
そう言ったにも関わらず平手打ちをされたのは内緒の話