第2章 ラヴィーニョさんは子供に不人気.....っと
「お~ぅ、あだぅ」
背中を占拠する乳飲み子をあやしながら、今日も働く。結局、あの後、上司の暴挙と世間と囚人達の圧力と一般常識に四方六方八方立ち塞がれた、半泣き状態の帝襟に懇願され、両親と姉夫婦を休ませると言う名目を自分に言い聞かせて、おチビの世話しつつブルーロックで働いてる。
次の日の休みも何故か白紙になってた。世知辛い。
此方の気苦労は知らず、我が甥っ子は今日もご機嫌。代わる代わる皆が抱っこしたり、サッカーで超絶技巧見せたりと相手をしてくれている。
サッカーの英才教育に皆熱心だ。
最近はラヴィーニョや蜂楽のドリブルを見ると興奮気味に拍手したり、感嘆の声があがる。
それならば、
「作りましたのが此方の『ダンシングラヴィーニョさん』になります。どうぞお納めください」
「きゃ~ぁ♡ぁぅあ~!」
両手に納まる位の真ん丸フォルムのお人形が『我が物』と判断した甥っ子は興味津々、期待大、笑顔爆発大興奮である。うむ、作った甲斐があった
「あの~大丈夫っすかね?肖像権とか色々、訴えるならあいつだけにして下さいね」
「いや、俺は別に構わないが、只のマスコットに異名付きってのは」
と、本人様から不満のお言葉。だか、
フッ、甘いな辛口エゴイスト共。暇と作成意欲を爆発させた私がその程度の玩具を作ると思うな。
刮目せよ!
スイッチを押すと、軽快な音楽と共に真ん丸フォルムのそれはコロコロピョンピョン、不規則に動き出す。例えるならボールが弾むように兎が跳び跳ねるように、そのシュールかつ、激しい動きに、一人また一人と顔を背け肩を震わす。本人は虚無顔だ。
さて、本命は
「ひ、やぁぁああーー」
大泣きだ。サッカーボールに乗っかってそのまま、顔から地面に落ちても、ドアに額ゴツンとぶつけても泣かなかったのに、親の敵とばかりに大泣きだ
「どうしたー、おチビほらほらラヴィーニョさんだよー?」 「ぎゃぁあんん」
人形を近づければ、手近な人にしがみつき泣きわめく。
「完全にUMA判定されてるじゃん、やめろ可哀想だろ」
スイッチを切って此方に渡す相方、無言でそれを受け取り
ポイ!
甥に投げ渡す。と、同時にスイッチが付きまた動き出す
「きぃぃやぁああ~~!!!」
「お、ま、え、なぁ~~!!!」