第2章 ラヴィーニョさんは子供に不人気.....っと
流石にこのまま乳飲み子を病原菌だらけの所に居させるわけに行かず、必要なものを一式もって一人暮らしの我が家に連れてきた。
ピロン………
持っていた端末が鳴り、画面を見る。
『〇〇が壊れた。直しに来い』という絵心さんからのメッセージ。
当然、無視を決め込んだ。
熱発もなく、久々に会う叔母や見知らぬ家に物怖じする事なく、ミルクもよく飲み、元気いっぱいに過ごす甥っ子に感心しながら、実家で療養、基、放置してきた大人四人をどうするか考えていると。
……♪……♪……♪
端末から流れる着信音と、それに合わせて喃語を話す甥っ子。
……♪……♪……♪
着信音が何度か鳴り、放置すること1時間。切れてもまたすぐ鳴ってくるので使えない。仕方なく電話に出ると
『▲▲が壊れた。迎えの車に乗ってすぐ直しに来い。』
壊れた物増えた上、此方の返答を待たずに電話を切られた。
「……で、今に至ります。▲▲を壊した人には腹パンして直してる間、子守任せてた」「大変申し訳ありませんでした」
身体を90度に曲げて謝る。
「もぅいいよ。オチビ〜おいで〜」
いつの間にか床に降ろされ、こちらもいつの間にか入ってきていた蜂楽や豹馬ロキやクリス、スナッフィー達と遊んでいた。
呼ばれるとニパッと笑ってよいしょよいしょと腹這いで女史の元に向かい、小さなお手々を女史の太腿に乗せる
大変可愛いがそれを許すのは5つまでだぞ等と思いながら抱えあげると
『お疲れ〜、帰っていいよ』
諸悪の根源、稀代のサッカー狂いがモニターに映し出される。
「それが休み返上で来た人間に対して言う言葉か?」
帰れるのは有難いが、あまりの物言いにかなりイラッとして一言。此方を暫し見つめ
「迷惑かけなければいいよ、ついでに君の実家に医者呼んでおいた」
「何?天変地異の前触れ?」「普段一番迷惑かけてる人にそんな対応されると怖いンすけど」
『会議するから来いステマ配合共』
「だーれが、メジロマックイーンだ!?」「指咬みきったろか!?」
心外だそこまでお上品じゃない。
とりあえず、会議か、流石におチビ連れてけない。仕方ない。
「…………」
無言で立っていたノアにおチビを渡す。
「じゃっ、頼んだ」
託されたノアは微動だにしてなかったと見ていた人が後に語る。