第3章 どっちかといえば、アーモンドアイだったわ
「本当に今日もすみません」「いいえ、大した事では」
此処は色々な店が出店する東京のとある繁華街。
妙齢の女性2人は大きな荷物を抱えて歩いていた。
何故?
それは、今朝に遡る
「あれ?絵心さん用のカップ麺がありませんね」
今日も帝襟は、サッカー関連以外働かない。クズ男系狂人の世話を焼いていた。
カップ麺の入ってる棚を目を皿にしながら探すが目当ての物は無いらしく、
まだあった筈なんだけどなぁ
等、不思議そうに疑問符を浮かべてる。
「あ、カップ麺なら夜食に食べたよ。後で買ってきておいて」
何の悪怯れも無しに言われる。
「なら、車出しますよ。午後休だし、私用で外出するつもりでしたし、ついでに消耗品やら備品買って、何か美味しいもの食べに行きましょう」
暗に『夜まで飯抜き』と言ってる。
「えっ、でも、良いんでしょうか」
上司はともかく、甥の世話やらでまともに休む事が出来なかった人が半休とはいえ、ようやく勝ち取った休みを、使わせてしまうのは申し訳ない。
「子供じゃないんだし、自分の事は自分でやれ。いい大人が」
「いいんじゃないですか?そもそも、予備の袋麺あるんだから、それ作って食べれば」
何処からか見つけてきたインスタントラーメンを取り出して、絵心に投げ渡す。
暫く袋麺を見て、袋から取り出し、そして
パキ、ボリボリボリボリ………
そのまま食べた。
「やっぱり、不味いな、コレ。いらない」
…………………
「袋麺そのまま食べる人、私初めて見ました。」
「スボラもあそこ迄来ると、怖いですね。」
仕方なく、雑用諸々相方に押し付けて、うら若き女性陣は町に繰り出した。
相方は哀愁漂う顔で此方を見ていたが、結局何も言わず業務と手のかかる上司の世話に取り掛かった。
流石に申し訳ないので、土産に何か買って帰るか。
「それじゃあ、買い物終わったら」「喫茶店で合流してティーブレイクですね」
買うものが多いので二手に分かれることにした。
さて、メインの上司の食糧はどうしよう、折角町に出たのだ。普段買わない物を買うのも悪くないが気に入られて頼まれるのも困る。以前地元の美味しいラーメン誘ったら定期便頼まれてしまった事がある。いっそ自分で作るかと、ある場所に向かう。