第10章 甘い誘惑
弱いと分かってるくせに
首筋に触れる唇の甘い感触に
たまらず小さく声を上げると
それを楽しむみたいに
何度も触れる唇に
たまらず目を開ける…
恐る恐る開いた目に飛び込んでくるのは
「やっぱり起きてた笑」
なんて
嬉しそうに笑う舘様の笑顔で…
そんな意地悪な笑顔に
慌てて
「違う…舘様が意地悪するから
目が覚めただけで…」
なんて言い訳をすると
「舘様じゃなくて涼太…
何時になったら呼べるようになるの…?」
そう言って大袈裟にため息をつく…
今まで何度お願いされても
呼べない名前に
「だって…
ずっと舘様って呼んでたから急には直せないよ…」
そう言って目を逸らすと
「わかった…
じゃあ呼べるようになるように
俺が手伝ってあげるね?」
そう言って舘様は
楽しそうに笑った…