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すの日常

第4章 充電


「会いたいなぁ…」

そう呟いたところで

康二は目の前には現れない…


そんなこと

言うまでもなくわかってても

その言葉が

口癖のように口からこぼれ落ちていく…


そしていつものように仕事から帰り

玄関の扉を開いて

真っ暗なリビングに電気をつけて

ソファーにごろんと横になり目を閉じる


こうして目を閉じていれば

現実ではありえなくても

見たいものを見られるから



いつだって妄想の中では

康二と一緒にいられる…


私の隣で楽しそうに笑う康二に

「康二…大好きだよ…?」


そう目を閉じたまま呟くと


「俺も好きやで…?」


そんないつもより生々しい声が

耳元で聞こえて

なんだか嬉しくて


「へへ…笑」

なんてわかりやすくにやける私の唇に

ふわりと優しく何かが触れる


うん…知ってる…

この感触


いつもそう…

優しく触れるだけのキスをして

焦らされて焦らされてやっと深くて甘い

キスをする…


ん…?

でもやけに今日の妄想は

リアルだなぁ…


ちょっと一回現実に戻りますか笑


なんて目を開けると

目を開けたはずなのに

康二の顔が目の前にあって


「やっと目開けてくれた笑

驚かそうと思って隠れてたのに

帰ってきてすぐ寝ちゃうから

どうしようかと思ったやんか笑」


そう言ってケラケラ楽しそうに笑う…


そんな康二のほっぺたに手を伸ばし

恐る恐るぎゅっと指先でつまむと



「痛いわ…笑!」


そんな康二の声がした…
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