第1章 やきもち
「大丈夫…?
なんか顔赤いよ…?」
そう言って頬に触れる手に
俺の心臓はうるさいほどに騒ぐのに
平気な顔で俺に触れる
しろちゃんに少し腹が立って
俺の頬に触れるしろちゃんの手を掴んで
ぎゅっと握りしめると
しろちゃんは慌てて
自分の手を引っ込めようとする
その手をさらに引き寄せて
しろちゃんの体を抱きしめたら
俺のうるさい心臓の音と
しろちゃんの心臓の音が重なっていく
抱きしめた肩越しに
しろちゃんの耳が赤くなるのがわかる…
だからほんの少し
勇気を振り絞って
「俺…しろちゃんが好きだよ…?」
そう真っ直ぐな気持ちを伝えると
「ラウちゃん…が…私も好き…」
としろちゃんの遠慮気味な声が聞こえて
小さな手が俺の服をぎゅっと握りしめる…
それだけで十分幸せだけど
もう少しだけ
そんな欲張りな感情が湧いて来て
真っ赤なしろちゃんの顔から
メガネを外して
小さなしろちゃんにあわせて
膝をつき
初めてのキスをしてみたりして…笑
〜ラウールくんの場合〜