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幻想科学物語-つかの間の閑話-

第1章 見慣れぬ景色と仲間との出会いまで。






(そういえば、普通のトラベルワープなら、人がいてもおかしくない。
だいぶ歩いたと思う。なのに、誰とも出会わないのはやはり山だから?)


ルーチェは、いつの間にかキノコそっちのけで考える。
ここはいわゆる異世界と呼ばれるところなのか、それとも、どこか遠いところなのか。


(食事を終えたら、空に上がってみよう。魔導士がいたら、やむを得ないってことを説明しよう。)


そう考えて、少し焦げたキノコをハムハムと食べ終えると、火の始末を行い、空へと飛んだ。


上空へあがると、やはり辺り一面木々で覆われていた。
ここは山の中なのだろうか、と不思議に思いながら上空を飛びすすめる。


そして、暫く飛び進めると、ピンク色に染った木々と、見たこともない大きな銅像があった。


そこに降り立ち、花の構造をしっかりとみる。
そこでおおよその見当が着いたのか、立ち止まって考える。


(季節は春、春にしては北欧に比べると少し暖かい、そして、この綺麗な花をつけた木、つまり、サクラ。そして、この銅像。日本か中国、どちらか。)


あとは、なにかしらの決定的な証拠を見つけようと再び上空にあがる。
しばらく当たりを飛び回り、やがて、決定的な証拠を見つけた。


(あの、一直線にそびえ立つ大きな山。母様から見せてもらった父様の故郷にあったという山。間違いない。ここは、日本。)


ルーチェはにやりと笑い、銅像の方へと戻っていった。

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