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幻想科学物語-つかの間の閑話-

第1章 見慣れぬ景色と仲間との出会いまで。






ルーチェは、先程の銅像の近くに降り立ち、再び火を起こす。
そして、先程見た光景を思い出しながら情報を整理した。


(ここは日本というところまでは特定できた。でもそれだと、文明の建物が何一つ無いのはおかしい。てことは過去、あるいは人類が亡びた世界線、ということで間違いない。
ということは、母様があの森に敷いていた陣はタイムワープね。
なにかあったときの緊急用、ということか。でもなんで日本?)


ルーチェはうーんと、考えるが結局答えは出ずにいた。
そんなこんなしているうちに、日が沈み、夜がやってきた。
考えても仕方ない、とおもい、服を脱いで、近くの木の枝にかける。


手早く雲を作り出し、簡易的なシャワーを浴びる。
髪やら体やらを手早く洗い終え、今度は風と火の魔導を合体させ、温風を出し、乾かしたあと手早く衣服を身にまとった。


布団も何も無いため、そのまま地べたに寝転がり、夜に上がった月を眺めた。


(スカイツリーっていう巨大なタワーがあるって母様はいってたっけ?
過去か未来か分からない以上、それを目掛けて…そー言えば銅像があったっけ。銅像があるってことは、少なくともホモ・サピエンスの時代ではない。てことは、未来ってこと?)


ルーチェはガバッと起き上がり、銅像の近くまではしっていった。
銅像の周りをよーく見る。


(確か、母様は銅像はお寺と呼ばれる建物みたいなところにあるといっていた。その建物がないってことは…)


まだ確証はモテないがルーチェの中ではおそらくここは数千年後の未来に来た、ということを結論づけ、乾いた笑いを浮かべる。


「はは、母様は父様のことを懐かしんでたのかしら。数千年後ってどじにも程がある。まぁいいわ。世界復興のための旅の開始ね。」


そういって銅像にむかって手を伸ばし、そっと触れたのであった。


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