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幻想科学物語-つかの間の閑話-

第3章 魔導士からのプレゼント






「これはね、ただのカバンじゃないの。拡張魔導をつけた"カバン"。なんでも入れることが出来るの。」


人間とかは無理だけどね、と付け加える。
その場にいる人たちはすげぇと驚く者、そんなこともできるのか、と感心する者、ただホッと安心する者など多種多様な反応を見せた。


その中でもひときわ目を輝かせてるものが二人、いた。


「ルーチェ、それの計算式はどう書くんだ?知りてぇ。」


「あ゛ぁ、それがわかりゃ宇宙の謎をとくヒントになりそうだな。どんな魔導式だ、教えやがれ。」


千空とクロムは2人してルーチェに詰め寄る。
ルーチェはその気迫に恐怖を抱きつつも、首をひたすらに横に振った。


「だめよ。これは、魔導士の企業秘密。いずれ科学で証明しなさい。」


「四次元ポケット並のかばんっつうヨダレたれまくりなブツ見せられてはいそうですか、と引き下がれるか。」


「そうだぞ。どういう仕組みなのか教えろよ。」


2人のゲスい顔にルーチェは後ずさる。2人はそんなルーチェに1歩ずつ近づいていく。


やがて逃げ場がなくなり、どうしよう、となった時だった、


「はい、そこまで!千空ちゃんもクロムちゃんも今日はスイカちゃんの誕生日よ?少し落ち着こうよ。」


ルーチェと千空たちの二人の間にゲンが立ちはだかる。
2人はゲンの言葉に、少しばかり目が覚めたのか、正気を取り戻したかのように、落ち着きを見せた。


ルーチェもほっと息をつき、ゲンの背中を見つめた。


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