第3章 魔導士からのプレゼント
「あー、危ねぇもんじゃねぇよな?」
千空のその言葉にルーチェ以外の全員の間にピリッとした空気が走り、全員で大きなため息をついた。
「あのねぇ、千空ちゃん。思ってても口に出しちゃだめでしょー。」
「心配する気持ちもわかるけど、本人の前で言うのはちょっと…」
「まぁ、それが千空だからなぁ…。」
それぞれ呆れたように口々に感想を述べる。千空は、というと何が悪かったのか、不思議そうに全員みており、ルーチェは相変わらず無表情だった。
(は!そういえばルーチェは、まどーし、なんだよ。もしかしたらこのカバン、スイカには危険なものかもしれないんだよ。)
スイカは貰ったカバンをまじまじと見つめ、カタカタと震えている。大人たちが心配したような反応をして動揺しているようだった。
その雰囲気をさっし、ルーチェは静かに口を開いた。
「スイカ、そのカバンの中を見てみて。」
「う、うん。」
スイカは恐る恐ると言ったようにカバンの口を広げる。するとスイカはうぉおぉ、と叫んだ。
「ど、どうしたの?スイカちゃん!」
「やはり、危ないものか?」
スイカの反応に、コハクと羽京、ゲンはカバンの中を一緒に覗く。
そこにはほの暗い空間が広がっており、そこがみえなかった。
「え、これって…。」
「なんだ、これは!めっぽう不思議な入れものだな。」
「る、ルーチェ、これって…。どうなってるの?」
みんなの反応を見てルーチェはふふっと、柔らかく笑った。
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