• テキストサイズ

幻想科学物語-つかの間の閑話-

第3章 魔導士からのプレゼント






「あー、危ねぇもんじゃねぇよな?」


千空のその言葉にルーチェ以外の全員の間にピリッとした空気が走り、全員で大きなため息をついた。


「あのねぇ、千空ちゃん。思ってても口に出しちゃだめでしょー。」


「心配する気持ちもわかるけど、本人の前で言うのはちょっと…」


「まぁ、それが千空だからなぁ…。」


それぞれ呆れたように口々に感想を述べる。千空は、というと何が悪かったのか、不思議そうに全員みており、ルーチェは相変わらず無表情だった。


(は!そういえばルーチェは、まどーし、なんだよ。もしかしたらこのカバン、スイカには危険なものかもしれないんだよ。)


スイカは貰ったカバンをまじまじと見つめ、カタカタと震えている。大人たちが心配したような反応をして動揺しているようだった。


その雰囲気をさっし、ルーチェは静かに口を開いた。


「スイカ、そのカバンの中を見てみて。」


「う、うん。」


スイカは恐る恐ると言ったようにカバンの口を広げる。するとスイカはうぉおぉ、と叫んだ。


「ど、どうしたの?スイカちゃん!」


「やはり、危ないものか?」


スイカの反応に、コハクと羽京、ゲンはカバンの中を一緒に覗く。
そこにはほの暗い空間が広がっており、そこがみえなかった。


「え、これって…。」


「なんだ、これは!めっぽう不思議な入れものだな。」


「る、ルーチェ、これって…。どうなってるの?」


みんなの反応を見てルーチェはふふっと、柔らかく笑った。


.
/ 19ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp