第3章 魔導士からのプレゼント
数日後………
9月9日、スイカの誕生日を迎えた。
石神村では忙しなく誕生日パーティの準備が勧められ、午後からは千空たちも集まり、大々的な誕生日パーティが開かれた。
「スイカ、おめでとう。」
「また1つ大きくなったね。」
「あとでジーマーですごいマジックを見せてあげる!」
「みんな、ありがとうなんだよ。」
口々にスイカの誕生日を祝う言葉が紡がれる。
本人はだいぶ照れくさそうに体をもじもじとさせており、1層可愛らしい。
そんな彼女に見惚れたものは1人や2人だけではなく、後々犯罪未遂が起きたとか起きないとか----
さて、みんながひとしきりスイカにプレゼントをわたし、残るはルーチェからのプレゼントのみとなった。
「スイカ、誕生日おめでとう。」
「ありがとうなんだよ!」
「私からは、これを…,。」
そういうと小さな鞄をスイカの目の前にすっとさしだす。
見た目は普通の革製の鞄。誕生日のプレゼントにしてはあまりにも囁かだった。
だが、スイカは嬉しそうに受け取り、ぎゅっと抱きしめた。
「ありがとう、なんだよ。大事にするんだよ!」
「どういたしまして。」
本人たちの間には穏やかな雰囲気に包まれる。が、みなが疑問に思っただろう。ルーチェが普通のものをわたすのだろうかと。
だが、怖くて聞けなかった。
いや、ひとりだけ、ほんとうに無神経なやつが1人だけいた。
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