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幻想科学物語-つかの間の閑話-

第3章 魔導士からのプレゼント






お昼を済ませると、ルーチェはすぐに診療所の横の倉庫に行き、薬草の品質などを確認しながら、さっき思い出したことを振り返る。


(もうすぐ、スイカの誕生日。彼女が喜ぶものと言ったら、なんだろう。)


実験道具、スイカの仮面、可愛いおもちゃ------
ルーチェの頭の中には色々なものが浮かんでは、消えていった。


(どれも違う気がする。実験道具は千空のところに行けばあるし、メガネも……スイカの仮面の方が気に入ってるぽい。おもちゃなんて論外。)


深いため息がでる。
その息は、乾燥した薬草がしっかりと受止め吸収した。


ルーチェは記録を付けてはため息をする、という行為を繰り返してた。


そんなこんなで時間はあっというまに過ぎていき、隙間から差し込んでいた光が無くなりかけてきた。


「おっつう、ルーチェちゃん。」


「ひやぁ。」


考え事に集中するあまり、ルーチェは外からの気配に無頓着だった。
そのおかげで、変な声をだしてしまう。


「ルーチェちゃんが俺に気づかないなんて、珍しい。どうしたの?」


「じ、じつは…」


ルーチェは素直にスイカの誕生日プレゼントが思い浮かばない、と相談した。


あまりにも可愛らしい悩みにゲンは、そっかぁ、と笑顔で頷いた。


「気持ちはわかるよ。俺も千空ちゃんへのプレゼントめちゃくちゃなやんだもん。」


「そ、そうなんだ。」


「でもね、相手のことをよく見てたら、なにがほしいか、わかると思うよ。」


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