第1章 性癖の始まり
「えー!彼氏と別れたの?」
「しー!!声大きいって!」
高校2年の3月。
今は昼休み。私は友だちの風花と教室で談笑をしていた。
話題は、私が最近まで付き合っていた年上の彼氏と別れたというものだった。
元彼は今年高校3年生。遠くの大学に進学することになったため、付き合い続けるのは難しいという話になった。
「イケメンだったのにもったいない」
「まぁ、しょうがないよ。あっちにも人生があるからね」
「優しいなぁ、は」
1年以上付き合っていた彼氏だ。当然寂しさや未練はある。しかしそれを言ってももう決まってしまったことには変わりない。
また縁があったら仲良くしようという話はしてあったため、連絡先を消したり思い出の品は捨てないでおくことにしてある。
「ま、ならいつでも彼氏できるでしょ。可愛いし。まぁ、スタイルは幼児体型だけど」
「幼児体型は関係ないでしょ!!気にしてるんだから!」
「彼氏とヤッても胸でっかくならないんだね。揉まれたら大きくなるのかと思ってた」
「ちょっと風花!ここ教室!!!」
私は小さい時から身長は学年で一番小さい。
その分栄養が胸に行く、ということもなく全てが貧相だった。
コンプレックスではあったものの、元彼がそれも可愛いと言ってくれたため受け入れ始めていたのだ。
私と風花の話の内容が周りにも聞こえていたようで、男子はチラチラこちらを見、女子は「下ネタ聞こえてるよー!」と笑いながらツッコミを入れてきた。
恥ずかしくなって風花の肩をペチンと叩く。
もうすぐ進級。
4月からは高校3年生。あと僅かの青春を楽しもう。