第1章 前日譚1:コラさんとはじめまして
《AnotherStory》闇夜の太陽:前日譚1
4(1/2)/5P┃ドリノベ版08/09P┃1000字
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「………私達も一服しましょうか」
ニッコリとうなづいたコラさんは言葉の通りにタバコに火を付けた途端に、黒いモサモサを巻き込んで燃えてしまう。そして静かに転がっている。なので水をかけてあげた。私はその隙にお茶の用意。
「はい、どうぞ」
ちなみに[北の海(ノースブルー)]なここは比較的に寒いので[飲み物]と言ったら当たり前にホット。でも私が出したのの温度はちょうどすぐに飲めるくらいで、コラさんがゴクゴク飲んでもヤケドしないと思う。
「本当にありがとなぁ。病院にはもう行けねェし、おれだけだったらあんなに手際よくなんて絶対ェできなかった」
「いえ………しっかりと薬が効いてるみたいでよかったです」
(こんなことでは、死んだりはしないと思うけど、弱っていた命は《メイメイ》でこっそり補強してきたからさらに大丈夫)
「あとは………心細いと思うんで、なるべく側についていてあげて下さいね」
「ああ……!」
(気づけばコラさんとふつうに話してる…!)
不審者だった私にも、もう警戒心もないみたいで、すごくおだやかな空気が流れていた。
(渡したカップになにげなく口をつけてくれてるなんて…やだ、う、嬉しい……)
「なあ、それでキミは──」
コラさんが私に話しかけてくれたその時。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
テントから放たれた怯えた絶叫。
その刹那、コラさんは瞬きをする間もなく身をひるがえして飛んで行く。
「だ、大丈夫かな……」
私も『ローの元へ行こう』と足を踏み出した瞬間に、足元がぐにゃり、と歪む。
「え!?」
バランスが崩れて、私はその場に転がった。