第1章 前日譚1:コラさんとはじめまして
《AnotherStory》闇夜の太陽:前日譚1
3(1/3)/5P┃ドリノベ版04/09P┃2000字
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「大丈夫だ、ロー。今、薬を買ってきてやるからな、ちょっと待ってろ───」
「……あのっ、!!」
もうすでに結構虚ろなローにブランケットを掛けて頭を撫でているコラさんに、なんとかなんとかなんとか、頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って声をふりしぼった。
「……え? なんだ、おれ達今忙し──」
「こここ、これっ、使って下さい!」
私を街の人だと思ったのか、険しい顔を向けたコラさんに、ずいっと色々な薬と水が入った瓶を渡す。するとコラさんは一瞬きょとんとして不思議そうな顔をしている。
「えっと、わわ、わた、わた、私、メチャクチャ、超絶に怪しい者ではあるんですが!!で、でも…決して……危険な害を加える者ではありません。た、旅を、一人で旅をしています。それでっ、偶然、たまたま、本っ当に偶然、病院や薬屋で難儀をしている貴方がたをお見掛けしまして、なっ『なにかお力になれたら』と思い立った所存なんです!!!」
かようなことにしたけれど、言ってる内容も動揺っぷりも、もう『怪しさ』しかないと思う。めちゃめちゃ[不振人物]………。
(あ────う─────でも……!!)
「いや……あ、ありがとう」
(やっぱりすごく引かれてる……くそ…初対面なのに。普通に出会いたかった!私め!)
「ほ、他にもあるんです……!」
先程コラさん達に販売拒否した薬屋で〈仕方なく〉買ってきた体温計や冷えたアイスノンも渡すと、コラさんは怪しい私よりもぐったりしているローに意識が移ったみたい(良かった!)で「……助かる、借りるぞ!」ととっくに意識の無いローに挟む。
合間に元々持っていた愛用のエアーマットを膨らませていた。この人達が野宿をする(手慣れていたので恐らく何日もしてたんだと思う)と踏まえて、サバイバルで色々とできる感じの道具を揃えてきていた。