第1章 前日譚１：コラさんとはじめまして

《AnotherStory》闇夜の太陽：前日譚１
２(2/2)/５Ｐ┃ドリノベ版03/09Ｐ┃1000字
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もう『変わらないんじゃ』と思われた日々にもやっと変化が訪れる。

（いや、喜ばしいものじゃないんだけど）

明らかにローの具合が悪そうなのだ。


顔が赤くてぼーっとしてフラフラしている。いつものような元気も生気も勢いも無い。返答はするので辛うじて意識がある程度。

そんな彼の状態に、もちろんコラさんも早々に気づいていて、あわてて抱っこしながら病院に行く………けどやっぱり［珀鉛病］を理由に診てもらえない。

（素人がパッと見ても、風邪っぽいのに。肺炎とか悪い病気だったらどうすんのよ！）

『無理もない』と心底思う。あのローは今はまだ12、13才程度の成長期で、病が体を蝕んでいる子供。その状況で毎日、海の近くで野宿。食事だってコラさんが調達した物を食べているだけ。そんな生活では普通の大人だって体調くらいすぐに崩す。

（しかもここは［北の海（ノースブルー）］だからね。さらには人気のない郊外を選んでの野宿。環境がいいはずがあるわけない）

ローを抱いたままでは、薬も全然売ってもらえないコラさんが、街外れに足を進めたのを見てたら体が勝手に動いた。