第1章 前日譚1:コラさんとはじめまして
《AnotherStory》闇夜の太陽:前日譚1
3(2/3)/5P┃ドリノベ版05/09P┃2000字
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
使えそうな品を並べて、携帯ポットでお湯を沸かす。砂糖と塩を7:3の割合で溶かしたものをゆっくりとカップに移して、しっかりと冷めるのを待ちながら放置。
「……どうですか?」
「39.2℃………ヤバいな」
「た、高いですね……あの、よかったら…これとかも使って下さい」
エアーマットの上にあるだけのブランケットを用意して作った簡易ベッドを指差す。
その先に視線を動かしたコラさんは「………悪ィ!」とローを運び寝かせてくれた。その上からワンタッチテントを被せる。
「薬………は、とりあえず、熱冷ましと万病薬を合わせて飲めば大抵の風邪や風邪的な疲労は善くなるそうです。それで様子を見ましょう」
「そうか……!いや──ホントになにからなにまでありがとな。助かったよ!」
(か、感謝されてる……!?じゃ、じゃ少しは[超怪しい不審者]からマシになった?)
(なら……これも大丈夫かな…)
キチンと匂いや色をチェックしてからローに薬を飲ませているコラさんに「あると楽になると思います」と渡した瓶。それは───『呼吸が楽になるように』と薬屋に尋ねて購入した[ヴェポラップ]みたいな塗り薬。
ちゃんと封がされているそれを差し出した。
「…塗るのか……どこに?よく分からねェから塗ってくれるか?」
「…え…あの、さ、触っていいんですか?」
「え、あ、違ェぞ!!こいつはべつに移る病気なんかじゃね──」
勘違いしたコラさんが慌ててそう言った言葉に大きな声で急いで訂正する。
(そんなまさか!)
「違います!見ず知らずの私が〈具合の悪い子供〉に近づいていいのかと思いました!」
「え、………違うのか……そっか……」