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【OP】闇夜の太陽/前日譚│コラソン

第3章 前日譚3:貴方の覚悟は凪のように


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「《オペオペの実》?」

「あぁ。ローの[珀鉛病]のために、ずっとみんなが探してたヤツなんだが、ソイツが姿を現した。こっから北にある『ルーベック島で取引がある』との情報だ。話の信憑性も問題ねぇ」

「じゃあ…」

「……おれ達はそいつを横取りにいく」



(ついに………ついにこの時がやって来た。まさか出会って間もない私にも[真実]を教えてくれると思わなかったけど)

「━━━、今までホントにありがとうな。おれ達は実の入手後は二人でどこか遠い所で姿を隠す。もう会えなくなると思うが………もしもまたどこかで会えたら、その時は─────」

最後の言葉はなぜか上手く聞こえなかった。

一瞬だけ、コラさんが《ナギナギ》の能力でそうしたのか、私が無意識に聞きたくなかったのか…………



「ほら、ローも……!?ロー~~~~!!」

悲鳴が上がった直後にそのうしろを見ると[原作通り]に苦しそうに倒れているローがいる。脂汗を大量にかいて「ハァ………ハァ………」と息も絶え絶えな青白い姿。

「おい!!お前………ロー、ウソだろ!?しっかりしろ!!やっと可能性が見つかったって時に!!まだ3年も経ってねェぞ!? お前の読みじゃもっと生きられるハズだろ!!」

「やべェ…熱がある……!どうしたらいいんだ!」

ひどく焦ってパニック気味なコラさんの腕をしっかりとつかんで、目を合わせたあとに無言でうなづく。

優しく彼を押しやってから、ローくんに[用意していたもの]で解熱処置を行い、仕上げにそっと《メイメイ》の力も使う。


私の能力は痛みを和らげたり取り除いたりはできないのだけれども、しばらくはなにがあっても命の炎は消えないようにはできる。

(現時点でローくんが死なないのは分かってるけど、こんな状況でなにもせずにいるなんて無理でしょ。[原作の運命]は、もうどんな風にあるか分からないんだから………やれることは少しでもやっておきたい)


したがって『この後この状態で大嵐の中、小舟での移動になる』と思って、少しでも楽なように二人分の装備をしっかり整えた。

(もしかしてこれから、コラさんが色々ひどい状況の中で無意識に《ナギナギ》の力を本領発揮とかして〈ローを守る力〉を発動するのかもしれない)

すごく名残惜しいけれど二人を見送る。
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