第3章 前日譚3:貴方の覚悟は凪のように
《AnotherStory》闇夜の太陽:前日譚3
1(3/3)/5P┃ドリノベ版03/09P┃0350字
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泣きながら眠ったコラさんは私にしがみついたままだったから、そのまま近くにあった私の布団に倒れてみる。
(子供みたい………)
濡れている頬に軽くキスをして、髪に手を伸ばすと意外と柔らかくてドキリとした。
(気づいたら、すごい状況なんだけど……)
意識してしまえば、急に上がり始める体温。
髪を撫でたらコラさんの腕に力が入り、きつく抱きしめられる形になっていく。私が抱きしめているのだから、当然に彼の顔は私の胸にある体勢。
(こ、このドキドキ…絶対聞こえてる……)
寄り添って眠るコラさんはどこか落ち着いた顔をしている気がするので、彼は確かに眠っているはずだ。
だが……今までに無いほどの至近距離にいる愛しい人。
不謹慎なのは分かっていても、コラさんの体温や匂いを初めて感じた私はとてもじゃないけど眠れない。
到底、眠れるわけがなかった。