第2章 前日譚2:コラさんとにどめまして
《AnotherStory》闇夜の太陽:前日譚2
5(1/1)/5P┃ドリノベ版05/06P┃0900字
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ときに━━━ってさ、よく海の近くにいるよな。もしかして病院も行ってたりするのか?」
ふいにコラさんが尋ねてきた。
(直接彼らがいる所に出て来てるから、そこがどんな島かは全然分からないんだけど、違う島で何度も私に会うのはおかしいか。これからまだ会いたいし、ごまかしておかないとなぁ)
『なら……』と拳を握って微笑む。
「あ、はい。海も病院も仕事の関係でよく行きますね。詳細はあまり詳しくは言えないんですが、コラさん達に害になることではないと思いますのでご心配なく」
(………とかで良いかな。うそつくのは心苦しいけど仕方ないよね。とりあえず『仕事』ということにしておけば大抵フォローできる)
「なるほど。いや悪ぃ悪ぃ。そんな風に思ってたんじゃねェんだ。ただまた会えると思わなかったからな」
「またお会いできて私も嬉しいです。名前も知らない少年でしたが、あれからどうなったのかすごくすごく気掛かりだったので…」
「はは、あん時#キャラ#も焦ってたのか」
「もちろんです!あんな高熱なの焦ります。元気な姿を見ることができて良かったです」
「それ以上におれが焦ってたんだけどな!」
あはは、とコラさんの優し気な笑い声は心地良いもの。ローくんも先程の言葉に気を取られているのか、考え事をしながらさっきは食べなかった野菜類を黙々と食べている。
(…よかったよかった)
二人とも、最初に会った時みたいな切羽詰まった雰囲気は無くて表面だけでも穏やかな時間が流れていた。
ここは[原作]では数コマで過ぎてしまうシーンで、きっと『どこに行ってもひどい対応をされる』の表現なのだろう。けども、あれを見て胸を痛めていた私にはとてもじゃないけども耐えられないこと。
少しでも『味方や理解者はいる』とか『コラさんの行動の正しさと間違い』の足しにして欲しい。
(今回はローくんと対面できて、無事も確認できたし、自己紹介もできた。更には私のことも信じてもらえたなんて………うん。上出来だ)
束の間だけれど、優しい空気を温かく感じながら私も箸を進める。
ここにいるのを意識しないように、頑張らないといけないのが私の仕様なんだけれど。
