第2章 前日譚2:コラさんとにどめまして
《AnotherStory》闇夜の太陽:前日譚2
4(1/1)/5P┃ドリノベ版04/06P┃0950字
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「大体なぁロー、お前はあの時にこの人がいたから助かったんだぞ。もし薬屋が使えてたとしても、おれだけだったらあわや、危なかったかも知れねェな」
「さすがに言いすぎじゃ…」
「いや手際のよさだけじゃなくてな。温ったけェ優しさがあったんだ!ローだって分かってたハズだ。この人が離れてからうなされ始めたんだから」
そう言ったコラさんを睨んで、思案したローくんは突然ガツッとおにぎりを手に取る。
「いただきます!」
「……は、はい。召し上がれ」
すごい勢いでおにぎりにかぶり付く顔は、帽子で分かり難いけど恐らく真っ赤。
(……照れ隠し……)
気を取り直して、お弁当を広げ取り皿を渡しながら軽く説明をする。ちなみにパン嫌いな二人なのでおにぎり多めで、好物や和食中心のラインナップ。
「んじゃ改めて自己紹介するな。おれはコラソンで『コラさん』て呼んでも良いぞ!こっちのチビはロー。宜しく!━━━!」
「はい!宜しくお願い致します」
コラさんと笑顔を交わし、パクパクと食べてくれる二人が嬉しくて眺めてたら──ふと気づいたこと。
ローくんが食べてくれるのは喜ばしいけれども、片寄った物ばかり口にしてる気がした。
(ん…………?)
気になったのでじっくり見ると確かにそう。
「サラダもありますのでよければどうぞ。ローくんは成長期だから、色々食べてね」
「お!そうだぞ。久しぶりなんだし、しっかり食っておれみたいに大きくならねぇとな」
「………どうせもうすぐ死ぬんだ。栄養なんてどうでもいいだろ」
「絶対治るんだから、そんなこと言ってると後で苦労するぞ…!」
「治るのは別に気休めなんかじゃないよ。私《能力者》で───人の寿命が分かる能力なの。だから分かる。ローくんは絶対すぐに死んだりしない」
「………ほんとうかよ」
「本当。戦闘に使えない能力だけど外れたことないもん。なので好き嫌いしちゃダメ!」
「………途端にウソくさくなったな……」
「あはは!でもうそじゃないよ」
(半分はうそだけど。私の能力でそれは分からない。でも[珀鉛病]は治る。コラさんが治してくれるんだから。だから………そんな顔なんてしないで)
