第2章 前日譚2:コラさんとにどめまして
2(1/1)/5P┃ドリノベ版02/06P┃0900字
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「次行くぞ、次はきっと治る!!」
「もういい行きたくねェ!!」
(見つけたっ!)
本気で走ってた私はキキィ───っと音がするくらいに止まって、息を整える。
「ス~~~ハ~~~」
(よしいいか、頑張れ私!!)
「こんにちは!」
大泣きしているローと、怒って慰めているコラさんに笑顔で話し掛けた。
「………え?」「……あ!」
同時に私を見つめて、それぞれ違う顔でしばし固まるっている二人。そんな彼らにニコニコと尋ねる。
「お腹空いてませんか?」
再度「???」と首を傾げている二人の手を取って歩き出す。私に手を繋がれたローはびっくりして振りほどこうとしたけど、ぎゅっと強めに握ればまだ子供には負けないみたいだった。
(…それとも、本気じゃなかったのかな)
彼らを連れて行ったのは海が見える岸みたいな丘。そこに用意してあったのはピクニックの一式で「こっちです。座って下さいね」と準備するために手を離すと、二人共その場で唖然とした表情で立ち尽くしていた。先に動いたのはコラさん。
「あ、お前……いやキミ、この間の?」
「はい。先日は名前も言わずに色々と失礼しました。私は□□と申します」
「いやいや、先日は本当にありがとう!ほら言っただろ、本当にいたんだよ!!」
「え…━━━?幻とか[天使]…なんじゃ」
「……元気になって良かったね」
(二人共本当にびっくりしてるみたい。まさか幻とか[天使]とか言われると思わなかったけども。まぁ、ただでさえ怪しい人が、荷物を置いて突然居なくなったからめちゃめちゃ怪しいよね。でも驚いてくれてる空気のおかげで動揺せずにいられる)
「ふふ、残念ながら[天使]なんて素敵な生き物ではないよ……ちょっと事情で、すぐにあの場を離れなければいけなくて。荷物、ごめんなさい」
「そっか………あの『あんたが助けてくれた』ってコラソンに聞いたんだ。…その…」
「……うん。……もう大丈夫?」
「あぁ。元気……だ」
そして頭を撫でていたら、ローはちょっと照れてハニカミそうになったけれど、すぐに悲しそうな表情をするので「良かった、良かった」と帽子ごと数回撫でて、お弁当を手に取った。
「良ければどうぞ!」
