第2章 白猟【白煙の向こう側】後日談あり
そして彼はまだ半身だけ起こしてメチャクチャ混乱している私の横で屈んで、両手を握りそこに口唇を当てる。
「おれと……結婚してくれ、ドリーム」
「え!?あ、……ちょ、だ、ダメです……」
「別に『責任』なんかじゃねェよ。お前を抱き続けてたのは『好きな女』だったからだ」
「えっ!うそですよね!!!」
(絶対うそ!!そんなわけない!!)
「ウソなんかじゃねェから。なんでおれ、生涯唯一のプロポーズしてんのに『嘘』とか言われてんだ?……まあ、自業自得か?」
なにかを思い出すように思案して、口角を上げニヤリと笑う。
「も、もっと合う方がいらっしゃいますよ」
(いや、絶対に…………)
「はぁ~~~。良いか、ドリーム」
真面目な顔をしてもう一度、私の両手に口付けをしたスモーカーさん。
「ずっと好きだ。愛してもいる。お前以外と結婚したくねェし、ガキも側で産んでくれ」
「え、わ、私で良いんですか……?」
「確かにおれは『責任』でプロポーズできる男だけど、お前は違ェからな。こんなに愛してのになんで信じねェんだよ。いくら言葉は無かったとしても、ずっとお前一筋だし、大事にしてるだろ」
「そ、そう言うのは色々と分かってはいましたが……あの、それって『好きだから』にして良いんですか…」
「当たり前だろ…」
少し笑ってした口付けはとても甘美だった。
久しぶりにスモーカーさんと交わしている口付けを楽しんでいると「返事は?」とつぶやかれたので、両手で彼の顔を包んで笑う。
「私が断わるワケ無いでしょ。愛してる、スモーカーさん……」
また口付けをすると指にさっきの指環を嵌めてくれて、そのまま押し倒される。
「買うのも持ってくんのも、スゲェ恥ずかしかったんだから、お前も『約束のアレ』やれよ」
「はぁ~~い…」
(ま、いつもならありえないくらいにロマンチックなプロポーズにしてくれたんだから、私も約束は守んないとね)
《Fin》→続きあり
────────────────────
執筆日〔2024,07,19〕
アンケートありますので宜しければお願い致します