第2章 白猟【白煙の向こう側】後日談あり
そうして一時期だけ、青雉さんのところにお世話になる初めての顔合わせの挨拶の時。青雉大将と、同僚になる方々とスモーカー准将と私がお茶の席を設けた。
(どういうこと!?今までこんなに目立つトコロや明らかな場所にキスマーク遺したりしなかったのに…)
微妙に嬉し恥ずかしで困ってしまう。
青雉大将にはすてに秘書と文官の方がいて、私はそのどちらもサポートする三人目。書類業務が主になるらしい。
引き継いだ書類を専門の部屋で取り掛かっていると、大将が顔を出して人払いをする。
(ん…………?)
「おう。仕事内容問題ねェか?」
「お疲れ様です。大将仕事ですので難しいのや取扱い注意なのがたくさんありますが、そういうのを扱う経験も知識もございますので大丈夫です。心配ご無用ですよ」
「スモーカーから[文武両道]に中々優秀だって聞いてるぜ。あと………そいつ、あいつのガキか?」
「!?」
「いや………『うちの隊で孕んだ女がいるんだが、手放したくねェ奴だから出産前後預かってくれ』としか言われてねェからな。でもおれはァ、あいつと長ェ付き合いの友達だから。そんな奴の少しの違いも分かっちまうのよ」
(あら、まぁ)
『なら仕方ない』と早々に白旗を上げることにした。きっとスモーカーさんでもこの人に隠し続けるのは難しいだろうから。
「うふふふ、良い友達いるんですね。……内緒ですよ?」
「やっぱりな~!手ェ出す前に気付けて本当に良かったよ。あんな奴がそんな痕付けるぐらいの女だからな。危ねェ危ねェ」
「え!?…………あ」
隠すことのできない位置にある、めちゃめちゃ自身を主張してるソレを咄嗟に手で覆う。
「やっこさん、メチャクチャ『おれの女に手ェ出すな』って言ってんのよ」
『良い友達だ』と思いながら、首にある痕を覆う手を外せずにいると不意に笑われた。
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執筆日〔2024,07,19〕