第2章 夢
それに気付いたのは家に帰ってからで、その文字を見た時にスマホを落としかけた。
復帰ライブも同時開催ってことは…また、に〜ちゃんに会えるの…?
そんなの、行くしかないじゃん!
すぐにチケット情報を確認し、珍しく親も誘ってみることにした。
親もアイドルには興味ないほうだけど、に〜ちゃんの名前を出せば顔色が変わった。
「晴れ舞台、ちゃんと見届けなくちゃね!」なんて今まで興味なかったじゃん…(苦笑)
最初はお母さんだけ誘うつもりだったけど、お父さんも仕事が休みとかで一緒に行くことになった。
行くことが決まったように話を進めるので『チケット取れたらだけどね…』と呟くと、
親も手伝ってくれることになった。
どんだけ行きたいんだよ、に〜ちゃんのライブ…
私が言えたことじゃないけど一応“Ra*bits”のライブなんだけどな。
お母さんが歌を聞きたいというので、適当に流すとお父さんも一緒になって湧いている。
基本情報だけでも教えてあげたらお母さんは紫之創くん、お父さんは天満光くんが好きだと言い出した。
『に〜ちゃんは?』と聞くと口を揃えて「一番好き!」と返ってきた。
若者の文化に染まるのが早いのか、“Ra*bits”の面々が年代問わず心を掴むのか
あっという間に黒須家は“Ra*bits”オタクになった。
…そういえば、なんかの話の流れで叔母さんに“Ra*bits”の推しを聞いたら真白友也くんが好き、って言ってたな…
ダメ元で誘ってみようかな。
叔母さんは基本即レスなので、今日もすぐに「行く!」と返ってきた。
叔母さんといってもお母さんの歳の離れた妹で、私と話が合うのでなんとなく返事の予想はついていた。
最終的にチケットが取れたら私、お母さん、お父さん、叔母さんの四人で行くことになった。
早く、ライブの日にならないかな…