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【OP】Completed│ジェルマ妹

第4章 《1部/前編3/5話/3P》07 08 09


〈子供時代編〉【08 ジェルマに生きる者】
〈03/10話│2(2/2)/3P│1500字〉
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クローン人間を大量に造って使い捨ての兵士にしてるんだから、そもそも[命]に対しておかしい考えを持っているんだろうけども。

(だけれど実際の人間をそうするよりは遥かにマシだよね。アレにだって結構な知識と技術と資金と時間を掛けて創ったんだろうから。ジャッジさんの幸せって……)

『え?』と疑問になってしまう。


『ジェルマ王国が昔みたいに栄華を誇れるようになりたい』というのは代々の野望……と言うか悲願。

使う手段はともかくとして、王族や貴族の血統の人なら『落ちぶれた家を再興する』って願うのはまぁ分かるし、多分わりとふつうなこと。確か『裏切られて』なんだったけ?なら余計に。

(じゃあ、仮に無事にそれが成されたら、その後のことは?感情が欠けるのと引き換えに強さを与えられた王子達で次世代に期待をできるんだろうか?)

ビックマムのところでイチジ達は『自分達は敵わない敵』や『どうにもならない状況』であっさりと死を受け入れる描写がされている。

(もしかして彼らは………兵士達やメイド達の[命]だから軽んじているのではなくて、自分達や父親の[命]すらも同じように感じているということ?)

その説が有力なら………王族としての誇りや価値はあったとしても、ジャッジさんが言ってる『弱者は屑。強者こそが全て』な考えを『ふつうに自分達にも当て嵌めているイチジ達』ってことだ。父の教えだから。

(結構キケンなことになってるのでは………だってジャッジさんは人生の中で紆余曲折があってそこまでの倫理に辿り着いたのかもしれないけど、産まれた時からそう教わっていて、それしか知らないイチジ達。それはもう『感情が欠けてる』とかの問題だけじゃないのかも…)


自分の世界に深く没頭していた私は、葬儀が終わっていることにも気づかずに、何度も私を呼んでいるレイジュさんの声で我を取り戻した。
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